では、気になった作品、残る受賞作・次席・候補作を一気に。いずれも初出はTwitterでのツイートです。 * * * まずはいきなり受賞作から。■ フィルターまで火照たる煙草 素直とは素直になれぬことでしかなく コンビニの自動ドアにも気づかれず光として入りた…
続いて最終選考通過作より。 * * * ■ 縄張りを示す残紙を卓上に置きおにぎりを温めにいく 勝敗が生死を分ける席にいる、違った、ゆっくり分かれる席だ (若狭愛) 残紙、という言葉に過酷な業界事情がみえてくる その確保した席にすわり おにぎりを食べて 延…
続いて佳作より。 * * * ■ ポッキーの持つ部分だけ食べている屈折してる君のやさしさ (柳本々々) そして指チョコレートまみれ はう。。 (しかも本人は屈折じゃないのかも 水に刺した棒の棒は曲がってないみたいに) お名前はなんと読むのかしら もともと…
こちらに何かを書くのは久しぶり。ここは短歌を始めたころに参加した『題詠blog2009』の自作と鑑賞記事の置き場でした。 現在Twitterのほうで、今年の短歌研究新人賞の応募作のなかからグッときたり気になったりした歌の感想をぽつぽつ流しているところ。こ…
TB1〜124のなかからのピックアップです。甘みにも痛みにもなるお題ですね。 ■ へいきさ、と言ってあなたは蜂蜜の瓶に沈んだ匙を摘まんだ (梳田碧) わーーーー! へいきなんだ。きっと「あなた」はためらいなく色んなことに飛び込んでいくひとなんだ。ここ…
ハロー、せかい、満開の桜に、すこしずつ葉が混じってきました。さてさて、TB1〜120のなかからのピックアップです。 ■ でたらめに立つ電波塔 敵を持ちドンキホーテは幸福だつた (尾崎弘子) 三句以降の核心にハッとします。敵だとか、正義の反対は悪だとか…
ハロー、せかい。風のつよい日です。かたつむりペースでお歌を鑑賞中、現在「020:幻」にさしかかったところ。 鑑賞しているとなんとなく気づくことがあります。このへんからは地震後に投稿されたものかも、って。もちろん、はっきりスパっと区別できてるわけ…
わあーー久しぶりの更新です。TB1〜133のなかからのピックアップです。 ■ さっき見た流星のこと話そうよ絹で巻かれた貸しビルの中 (新田瑛) 「絹で巻かれた貸しビル」というふしぎな風景に惹かれました。おそらくは実際にそうなのではなくて、繭をイメージ…
日々が、粘度つよく流れています。 お歌の鑑賞が。止まってしまっているなあ。見ていてくださるかたありがとう、狼煙のための火起こしができてなくてごめんなさい。なんて無力だろう。なんにもできない。わかってはいたけれど、なんかこう、ほんとうに愕然と…
TB1〜125のなかからのピックアップです。数ヶ月ぶりに自転車に乗りました。雪解けあとの、まだ砂だらけの道をおっかなびっくり走ってます。走ってますか、歩いていますか、前へ。 ■ 紙削る砂消しゴムの堅さもてインディゴブルーのあの日残りぬ (竜胆) 砂消…
TB1〜139のなかからのピックアップです。今回は好きなものがたくさんありました。寒さ、すこしずつやわらいできましたね。うれしくて、すこしさみしい。あの寒さこそが、私の。いのちのふるさと。 ■ 寒空をうすく切りとる促音のきみの「きっと」に照らされて…
無事ですか。無事ですか。みんな、無事でありますように。ほっかいどうにてこの数日、衝撃と無力感で頭がパンパンになっていました。けどちがうよね、そうじゃないよね。幸い被害なくすんだ街にいるからこそ、私は自分のいつもの仕事をいつもどおり誠実に遂…
こんにちは。春だけど、さむいね。『005:姿』TB1〜139のなかからのピックアップです。 ■ 活けられた野花のような伯母 後ろ姿を見せず病室を出る (星川郁乃) 入院生活にあるひとを的確に表現した直喩「活けられた野花のような叔母」がせつなくて。絵が浮か…
お題ひとつ飛びまして『004:まさか』です。TB1〜136のなかからのピックアップです。わあーむずかしいお題だけど、おもしろくもありますね。ひねったものだと「たまさか」で詠まれたものが多かったです。多すぎて逆に印象に残りにくかったかも。あと、個人的…
TB1〜137までのなかからのピックアップです。 ■ ベランダでぬるい缶ビールを飲んでいる 幸せになってください (成瀬悠太) 彼女への祝杯は、自分にはやさしくなくて。言葉ではないもので長い物語が書かれていますね。初句と三句の脚韻(「で」というむずか…
ハロー、せかい。ついさっき思い立って、また始めてしまいました。えへ。昨年のようにがっつりとはいきませんが、ほんのささやかなコメントとともに超不定期で(笑、私のお気に入りを紹介していきますね。のんびりおつきあいいただけたら嬉しいです。では『0…
ハロー、せかい、すこやかですか。 『題詠blog2011』が始まりましたね。先日、ぽくぽくと会場を見にいって、お題を拝見しました。おおー、すでに120人以上のかたが走りはじめてるんですね。っていうかもう完走したかたもいるんだ、びっくり。出来はともかく…
ひょっこりとこんにちは。心的に全身筋肉痛のいしはたです、いてていてて。今月一気に走ったからなあー;笑さて、順番が前後してしまいましたが、先日ちらりとお話ししていました(http://d.hatena.ne.jp/ishihata71/20101202/p1)、お題「063:仏」からのス…
TB1〜161のなかからのピックアップです。 ■ 欲ばりなお前がつなぐイコールのとりとめなさとして、桃と螺子 (村上きわみ) 桃と螺子がイコールになるくらい、主体からすれば “なんでそうなる?!” って主張や解釈も「お前」にとっては自然な方程式なんですね…
ハロー、ハロー、せかい。ここまできたね。TB1〜161のなかからのピックアップです。 ■ 愛しきものに触れ得し至福かへりくるひかりうけ撓(しな)ふ水底の藻に (橘 みちよ) みなそこに、陽が至るとき。そうですね、藻は植物だもの、干潮を待ちわびているの…
ゴーール!(誰もいない道をバンザイで駆けぬける) やったーやっとだよーううう。(バンザイしたまま仁王立ち) 開催期間中にはかないませんでしたが、三週間ほどおくれてやっと百題の鑑賞を果たすことができました。ふうー。お題039で鑑賞ストップした昨年…
TB1〜161のなかからのピックアップです。 ■ 腕時計外して経の横に置き僧おもむろに読経を始む (西中眞二郎) 意識の、おもしろい一瞬が切りとられています。僧侶って職業というよりはひねもす三六五日、僧侶であることを期待されるイメージを私は持っている…
ハロー、せかい、さぶいね。冬のまんなかはもうすぐだね。 「096:交差」はTB1〜163まで、「097:換」はTB1〜160まで、それぞれ鑑賞しました。ふふ、とか おー、とかなりつつ、個人的にはもうすこし強烈にピコーーンときたものを紹介したいので、今回のピック…
「093:全部」(TB1〜165)は鑑賞のみで失礼して、「094:底」TB1〜164のなかからのピックアップです。底。そこ、って。ぴったりな響きだなあとおもうのです。「ここ」でても「あそこ」でもない「そこ」。物理的距離じゃなく精神的な距離としてね。「ここ、あ…
TB1〜162のなかからのピックアップです。今回はシンプルに。 ■ 黒い河 冬のぼくらの心臓へ至る夜更けの大静脈は (飯田和馬) からだをめぐりめぐって帰ってきたところ。ですね。冬のぼくら、夜更け、もうじゅうぶん傷つけ、傷ついてきた。それでも心臓をぬ…
TB1〜165のなかからのピックアップです。このお題も先日の「090:恐怖」に似て、この言葉自体にインパクトがあるのでそこをどう扱うかがむずかしそう。どうしてもこう、お題になったのを機に詠みたいものを詠む、というよりは、これを使ってなんとか詠んでみ…
眠る前にもうひとつ更新です、「091:旅」TB1〜167のなかからのピックアップを。なお「090:恐怖」(TB1〜167)は鑑賞のみさせていただきました、多謝。お題としては難しい言葉ですねー、そこをクリアするためもあってか恐怖新聞モノがたくさんありました。 ■ …
TB1〜166のなかからのピックアップです。お歌にけっこう出てきてておもったんですが、けどアメンボって、見なくなりましたよね。私のまわりだけなのかな。こどもの頃は雨上がりの水たまりにたいていツイッと浮かんでいて、足先で器用に水面をつかんでいまし…
ハロー、せかい、こちらはみぞれまじりの雪になりました。TB1〜162のなかからのピックアップです。 ■ 麗人はモディリアーニの細き首伏せて五月は鬱とささやく (みずき) 印象派絵画によわい私です。いいですね、モディリアーニの描く肖像画は麗人ということ…
「088:マニキュア」(TB1〜167)は鑑賞のみで失礼して、「089:泡」TB1〜163までのなかからのピックアップです。さすがにここまで鑑賞すると、投稿の皆さんも固定メンバーになっていて、この延長で皆さんがゴールテープを切っただろう場面を想像しながら読み…