2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

057:縁(石畑由紀子)

額縁が黒に変わってなお香る肩ごしの血が生きよ、と言った

058:魔法(石畑由紀子)

遠い日の魔法の延長上にある食卓にのる茄子の煮浸し

056:アドレス(石畑由紀子)

今度こそ恋には落ちない アドレスは登録せず押す返信ボタン

055:式(石畑由紀子)

数式の左岸右岸をむすぶ橋そのように「愛」の言葉はあった

鑑賞「015:型」

こんにちは! 1ヶ月ぶりの鑑賞、1〜244首からのピックアップです。例えば「型にはまらない系」「はめられたくない系」の歌を詠むとして、しかし短歌は定型という超バリバリな「型」なわけで、その絶対的な矛盾を念頭にどう魅力的な風景を描き出すか。。と考…

053:妊娠(石畑由紀子)

私という宇宙を妊娠した宇宙三十九年前のほほえみ

054:首(石畑由紀子)

首筋を舐めあげた舌がふるえていたから組み敷かれたまま赦した

051:言い訳(石畑由紀子)

言い訳をされるならまだ大丈夫 わらう彼女の目尻の深さ

052:縄(石畑由紀子)

上空で君があやつる投げ縄のひゅんひゅん背中の耳で聴いてる

050:災(石畑由紀子)

デュッセルドルフとつぶやき舌にやわらかくなぶられている災い、あまく、

ただ今、マラソンで言うところの、

20km地点でしょうか。。キリの良い番号ではなく049の終了後にぼそっとつぶやくイシハタです。 息が。切れてますかねー、040を過ぎたあたりからぐっとペースダウンしてます。数年ぶりにめずらしく詩の〆切りを数件かかえてる忙しい昨今ではあるんですが、多忙…

048:逢(石畑由紀子)

もう言葉におさまってしまう君これで逢うのは最後ほんとに最後

049:ソムリエ(石畑由紀子)

恋人か友人かなどどうだっていいじゃないのと野菜ソムリエ