2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

鑑賞「062:ネクタイ」

TB1〜125のなかからのピックアップです。 ■ ネクタイを選んで気づくこともある 似合わない色こんなにもある (氷吹郎女) 嗚呼、これ。ドキッとするなあ。自分のことなら、洋服なんかでもあーこれ私に合わないし、ってすぐわかるし、それ自体に特別ハッとし…

鑑賞「059:病」

ぽつ、ぽつと忘れたころに降る雨です、こんにちは。なんか急にドコドコと忙しくなってきました、がんばれ私。今回は「058:脳」(TB1〜134まで鑑賞しました)は飛ばして、「059:病」、TB1〜128のなかからのピックアップです。 ■「死に至る病は絶望」口遊む男…

鑑賞「060:漫画」

TB1〜129のなかからのピックアップです。二首をシンプルに紹介します。 ■ 漫画家の黒ずんだ指先からいま恋のかけひきが生まれたところ (青野ことり) あ。この空気なんだか好きです。恋愛という法のなさ、非社会的なこころのせかいが、「黒ずんだ指先」とい…

鑑賞「061:奴」

TB1〜124のなかからのピックアップです。 ■ まつしろな奴(やつこ)に箸をさしいれて機銃掃射のまぼろしを聴く (穂ノ木芽央) とうふが人肌に見立てられたとき、連想される展開はたいてい情事なんですけど、このお歌は銃弾が人をつらぬく殺戮シーンです。音…

鑑賞「057:台所」

TB1〜120のなかからのピックアップです。 ■ あかときの台所に立つ君の手がオムレツふわりとゆらす煉獄 (高松紗都子) このお歌は先月『純響社WEB』のコラムでピックアップさせていただきました。初句の「あかときの台所」(あかとき……夜明け前)で物語の予…

鑑賞「056:枯」

TB1〜122のなかからのピックアップです。ところでお題がひとつ飛んでます、「055:アメリカ」はTB1〜124まで鑑賞させていただきましたが、ピックアップなしなのでした。多謝。 ■ 枯草掻く猪肉あかくゆれてをり歳晩の土鍋の身籠もりならむ (行方祐美) 荒いけ…

鑑賞「053:ぽかん」

TB1〜123のなかからのピックアップです。 えと、実話です、とか、書かなくてよいんじゃないかなあーと思うのです。シチュエーションやエピソードが実話であることが尊いのはドキュメンタリーの世界で、文芸にはあまり関係のないものと考えています。そこは実…

鑑賞「054:戯」

TB1〜121のなかからのピックアップです。 ■ 戯れに右の乳房に触れてみる わたしなんにもなくしていない (音波) 気づいているのね。恋じゃなかったことを。奪われたり、欠けたりすることのなかった慕情を。おとなになるって、こういうことかもしれない。「…

鑑賞「052:婆」

ハロー、せかい、十月ですよ。ということは『題詠blog2010』の投稿期間終了まであと2ヶ月を切ったんですね。。鑑賞で走る私にもまたひえぇーな現実。マイペースがすてきなのはもちろんとして、けどこう、自分で決めて無茶するのもいいよねー。走れるとこま…