2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

鑑賞「048:来世」

TB1〜134のなかからのピックアップです。来世、は当然あるという前提で詠まれているのか、おとなのやさしい嘘なのか、祈りなのか。「来世」に対する意識、この言葉でなにを表そうとしているのかがとても興味深かったです。また、「前世」「現世」ということ…

鑑賞「051:番号」

TB1〜124のなかからのピックアップです。あれ、お題の番号飛びましたよ、っておもったかた、ううう正解です。「049:袋」はTB1〜129まで、「050:虹」はTB1〜130まで鑑賞しましたが、ピックアップなしとさせてくださいませ、多謝。いやしかしやっと半分、折り…

鑑賞「047:蒸」

日をまたぎつつ、今夜もどんどんいきます。TB1〜128のなかからのピックアップです。 ■ 溶けきったブルーハワイも青だけを残して蒸発したゆめのあと (こゆり) 紙コップの底にうすくこびりついた青が見えるようです。残るんだよね、青だけ。氷も水も、ブルー…

鑑賞「045:群」

TB1〜133のなかからのピックアップです。 ■ 雲梯を群青色に塗りこめて七月末の校庭静か (tafots) 「雲梯」と「群青」、-unの頭韻がのどに心地よいです。雲のはしご、って書くんですよね。間近にある塗りたて雲梯から、そのまま主体の視線がぐーーっと広角…

鑑賞「046:じゃんけん」

TB1〜130のなかからのピックアップ。今回はポップな一首です。 ■ 8月に学ぶぼくたちじゃんけんで開いたパーに注ぐネクター (揚巻) とつぜんで、いじわるで、つかめなくて、あまいね。そんな8月のかたち。勝ち負けのルールとかそういうの、一切通用しない…

鑑賞「043:剥」

TB1〜128のなかからのピックアップです。好きなのいっぱいありました。 ■ ビル中の交通安全ポスターを全部剥がせば階段は夏 (中村あけ海) 交通安全ポスターって春のイメージですよね。いや季節ごとにそういう運動はあるかもだけど。新人ドライバーが増える…

鑑賞「044:ペット」

TB1〜124のなかからのピックアップです。 ■ 赤き水入れれば赤きペットボトルそのひそやかな淋しさを置く (梅田啓子) このお歌は、前回『純響社WEB』のコラムでピックアップさせていただきました。音韻も、比喩も、風景も。いいですよねぇぇ。。現在を描写…

鑑賞「042:学者」

TB1〜129まで鑑賞しました。たくさんの学者さんいろんな学者さん。私のコンディションか、脳内のフィラメントは穏やかでありました。このお題でのピックアップはなしとさせてくださいませ、多謝。

『純響社WEB』のコラム、更新しました

ただいま「042:学者」まで紹介しつつ、あいかわらず鑑賞記事が追いついていない当ブログです。そして差は開くばかりなのでした、ひゃあ。 昨日『純響社WEB』でのコラム『アトリエの庭から』にて題詠blog鑑賞をアップしました。今回はお題「057:台所」から、…

鑑賞「041:鉛」

TB1〜131のなかからのピックアップです。コメントが毎回すこーしずつわらわら長くなっていってるような気がします。読みにくかったらごめんなさいね。 ■ 生きるために死ぬ人と殺す人といて鉛筆削りは鉛筆削る (古屋賢一) 「鉛筆削りは鉛筆削る」。製品とし…

鑑賞「039:怠」

十日ぶりのこんにちは。TB1〜137のなかからのピックアップです。 ■ 怠り方のひとりはひんやり眠りたり今日の約束ひとつを消して (行方祐美) 音韻のここちよさは言うまでもなく。特記すべきは「怠り方のひとりはひんやり眠りたり」、なんて愛らしい表現方法…

鑑賞「040:レンズ」

本日ふたつ目のお題、TB1〜137のなかからさっくりと一首。 ■ 物事はあるべき様に納まるか 穂村弘の眼鏡にレンズ (古屋賢一) ふふ。レンズとフレームにとっては、それが自然なことなんですよね。けど穂村さんにとってはどうかしら、穂村さんにとっての「べ…