2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

068:秋刀魚(石畑由紀子)

記念日のグリルにならぶ秋刀魚二尾 胸の苦みもおいしくなぁれ

鑑賞「019:ノート」

1〜239首からのピックアップ。全体的にはストレートに「ノート」で詠まれたものが圧倒的に多かったです。おお!とおもった単語は「ラストノート」、香水のフィニッシュなんてスタイリッシュ。私は「アストロノート」で詠みました(http://d.hatena.ne.jp/ish…

067:フルート(石畑由紀子)

誰とでもこうなるわけじゃ、ないです、から、抗うフルート だから恋した

言葉は、私。

3分の2を詠み終わってわかったこと。得意なことや自分の癖なんかがすこしずつ、見えてきた。いいことも、そうじゃないことも。 楽なんだ、体言止めは。 だめなんだ、楽なほうばかりに流れていくようじゃ。言葉は、言葉だけには留まらない。アートはそのま…

鑑賞「018:格差」

立て続けに鑑賞いきましょう、1〜248首からのピックアップです。難しいお題でしたよねー、どうしても政治経済の色が強いですし。それをストレートに詠んだものが圧倒的に多いなか、そこからさらに向こうの景色を、という心意気を感じたステキ短歌もありまし…

065:選挙(石畑由紀子)

繋がっているのか 引きずるスリッパの音だけひびく選挙会場

066:角(石畑由紀子)

メレンゲの角がきれいに立ったから決心をする午前二時半

鑑賞「017:解」

1〜249首からのピックアップです。今回は好きな歌が多くて嬉しい! いつものようにピピッときたままに感想を記しますね、みなさま多謝&感謝です。 ■ なめくぢの這ひたるあとの光りをり友と和解し夜道をゆけば (梅田啓子) 暗闇のなかに濡れている、ひとす…

064:宮(石畑由紀子)

母を生みたかった 途切れゆく道で子宮のドアをさし示す指

063:ゆらり(石畑由紀子)

「嫉妬したこと、ありますか」不意に目と胸を射貫かれゆらり傾く

061:ピンク(石畑由紀子)

裏切ってもいいよきっと好きなままだよ切立つ塔に被せるピンク

062:坂(石畑由紀子)

君を傷つけられるのは私だけ登坂車線の右側を行く

060:引退(石畑由紀子)

とくとくと心音ふたつ引退のできない道に母子手帳咲く

059:済(石畑由紀子)

逢うごとに指を呑みあう救済の及ばぬ場所へひくく流れて

鑑賞「016:Uターン」

1〜254首からのピックアップ。戻ること、あるいは戻れない/戻らないこと、どちらの状況をどんな熱度で詠まれているのかが興味深かったです。いじりかた・使いかたが限定される単語だけに似た感じの歌が多かったなか、私イシハタがピピッと感じた歌を四首ピ…