2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

短歌鑑賞・「009:ふわふわ」

1〜219首目からのピックアップです。今日はちょっと少なめ。いろんなふわふわがありましたが、お題を受けての歌の感触は004の「ひだまり」に似てたかも。言葉の持つ既存のイメージを手堅く押さえながら、いかにそれ以上の場所へといざなってくれたか、そんな…

034:序(石畑由紀子)

ほねになるただしい順序があることを父を哭かせて知らせた友よ

3分の1をてこてこと。

約2ヶ月で33/100題を詠み終わり。当初の自己予想よりはややハイペースで進んでます。やー楽しい、『題詠blog2009』を始めてからはずっと短歌脳で、まったくというほど詩を書いてません(笑・いちおう詩人です)。そんなこともあるさ。33首のなかから、詠め…

短歌鑑賞・「008:飾」

1〜217首目からのピックアップ。今回のお題では「飾る」「飾り」など、送りがなをつけてシンプルに詠んでるかたが多かったです。「粉飾決算」でチャレンジするツワモノもいらっしゃいました、おおー。 ■ なだらかな丘かとおもう飾り窓に暴かれてゆく白きトル…

033:冠(石畑由紀子)

カレンダーに王冠を描くもう二度と逢うことのないひとの記念日

短歌鑑賞・「007:ランチ」

1〜225首目からのステキ短歌ピックアップです、今回は少なめ。というか各歌人さんのブログへピックアップのお知らせにあがろうかどうか考えているうちに007まで来てしまった。いまのところは「のろしに気づいてくれー!」と念じながらやってます(笑)、読み…

031:てっぺん(石畑由紀子)

片目とじて高層ビルのてっぺんを愛撫するほど遠いきみの背

032:世界(石畑由紀子)

くちびるが世界、とひらき漏れ落ちる欠片のなかにわたしは棲んで

030:牛(石畑由紀子)

口は穴 落ちずにふたりやわらかく煮込まれた牛舌噛みちぎる

短歌鑑賞・「006:水玉」

1〜228首目からのピックアップです。最近は自分の詠みよりも鑑賞が楽しくてそっちばかり力はいってる気が(笑)。嗚呼、走らなきゃ。 ■ あついねと笑うあごから落ちそうな水玉(たぶん舐めたら甘い) (本田あや) 甘いのか! 甘そうに見えちゃうのか! この…

029:くしゃくしゃ(石畑由紀子)

白線を守って喘ぐ くしゃくしゃと頭を撫でてふたり笑って

短歌鑑賞・「005:調」

1〜238首目からのピックアップです。 鑑賞も回を重ねていくと、好みというか、気になる詠い手さんがちらほらと。触手をのばしつつ、感じたままを記しているので、歌の真意からはなれているときもあるかもです、多謝。あーでも、詠みも読みも楽しい! ■ 調律…

028:透明(石畑由紀子)

ペットボトルを透明と呼ぶように私の指はすり抜けられて

短歌鑑賞・「004:ひだまり」

1〜242首目からのピックアップです。 文字どおりほっこりした、ポジティブな恋歌が多かったようにおもいます。けれどそれを全面に出しただけの、言わばスナップ写真では歌として予想できすぎてしまって、なにか物足りない。ほっこりを表すにしてもアングルが…

027:既(石畑由紀子)

既製服としてあなたの愛を着る 袖は長くて胸は苦しい

短歌鑑賞・「003:助」

さてさて、「助」のステキ短歌。1〜243首目からのチョイスです。 漢字一文字のお題の場合、どんなふうに組み入れて詠んでいるか興味がわきますねー。そのまま送り仮名をつけて「助ける」「助け」とするのか、「助手」「補助輪」などの熟語をつくるのか、など…

026:コンビニ(石畑由紀子)

アクアリウムとして青白くコンビニあり迷子のサカナ二十四時半

024:天ぷら(石畑由紀子)

やさしいね海老天ぷらの半分のすり身のように口づけるひと

025:氷(石畑由紀子)

みぞおちで燃える氷に指先の皮膚を削がれる共犯の朝