鑑賞「075:微」

うう、やっと四分の三まできました。TB1〜173のなかからのピックアップです。


■ 白色に紅は微かに沈みゐて一日花の底の明るさ
   (野州
いま、部屋のシャコバサボテンが満開で。まさにこんな感じなのです、白い花びら、かすかな紅。次の日には萎れてしまうことを、花は憂いていないんだよなあー。「底の明るさ」、いいですね。


■ 昨日よりとおくへ行った恋人の細いくびすじ 微かに触れる
   (壬生キヨム)
肉体の距離、こころの距離。「微かに」に込められたためらいと願望が、くるしい。「細いくびすじ」、関係はそのように、不確定で、不安定だ。孤独、ただそれだけが、リアル。