鑑賞「015:ガール」

お題「ガール」はTB1〜169まで鑑賞しました。ガール、昭和の響き、死語を死語として楽しむ/楽しませるのかそうじゃないのかの違いが大きかったようにおもいます。結果的に今回そういう要素のお歌とはご縁はなかったけれど、きらいじゃないなーこの空気感。森ガールもちらほら見かけました、こっちはきっと今年の流行語大賞ノミネートありますね。


■ ボーイミーツガールを神の必然とみるとき少女めく兵器群
   (虫武一俊)
少女めく兵器群! これちょっとすごい言葉ですね。武器を男性的なもの、その象徴とすることはよくあると思うんですけど、そこから一瞬性欲をこんなふうに引っ込めるというか、いやもちろんあるし現に書かれてはいるのだけどちょっとこう、つかのま銃口に花を挿すというか(こういうと非戦メッセージという別のトピックを想わせるので適切じゃないかもですが)、「ガール」というお題でおとこのこを詠うっていうところ含めて、なんか好きです。


■ シャガールの硝子片降る夕暮れに愛と青とを聴き違えては、
   (ミナカミモト)
夕暮れの幻想と、たっぷりと残された余白。「シャガールの硝子片」は彼の作品、教会のステンドグラスや連作のデザイン画を想わせます。それらの幻想風景のなかを、主体がその余白に向かって歩いているかのよう。恋愛そのものですね、この風景は。キラキラと主体に降り積むもの、それが恋なのか傷みなのか、渦中ではわからない。生活の幸福とはとおい場所なんだよね、きっと。だってステンドグラスが割れているんだ。残酷で、すごくきれい。