鑑賞「069:島」

こんにちは、今日もぽつぽつと。TB1〜171のなかからのピックアップです。


■ 鬼は鬼ヶ島に育つ おばあさんに拾われなかった桃から生まれ
   (古屋賢一)
嗚呼、そうかもしれない、そうなのかもしれない。昔ばなしやハリウッドには勧善懲悪が多いですけど、ひとの根っこは同じなんですよね。鬼は、さみしいから、鬼になるしかなかったの。たったひとりでそこまで育って。


■ 地図にない二個の孤独な島として触れられるのを待ってる乳房
   (音波)
「地図にない」っていうのがいいですね。わかるもの・知り得るものは、ほんのわずかだ。このお歌でも“地図上にない”という意味のほかに“地図に記すすべがない”というニュアンスを感じます。島は、触れられても、地図には載らないかもしれない。きっと孤独なままだ。そして、主体もそれを知っている。やわらかな、孤独の歌。